Key Pointsこの記事のポイント
  • 問い合わせ不足は古さでなく構造の欠落が原因
  • 会社案内型サイトは見込み客の判断材料にならない
  • 再設計は「欲しい問い合わせ」の言語化から始まる
  • 更新できる体制がなければ成果は再び止まる

中小企業のホームページに問い合わせが来ない本当の理由はデザインではない

「うちのホームページは古いから問い合わせが来ない。新しくすれば変わるはずだ」。中小企業の経営者から、よく聞く言葉です。確かに、長く手を入れていないサイトは見た目に古さが出ます。スマートフォンで表示が崩れることもあるでしょう。しかし、デザインを刷新しただけで問い合わせが目に見えて増えたという話は、実はそれほど多くありません。見た目を整えても問い合わせがほとんど変わらないケースは、決して珍しくないのです。

この記事では、問い合わせが来ない状態を「デザインの問題」ではなく「構造の問題」として捉え直します。そのうえで、何をどの順番で直せばよいかを経営者の視点で整理します。制作の専門知識がなくても判断できるように、現場で実際に起きている症状と、その裏にある原因を結びつけて解説していきます。

まず、前提となる事実を確認しておきましょう。ホームページを持っていても新しい仕事につながっていない中小企業は、少数派ではありません。日本政策金融公庫総合研究所の調査リポートでは、中小企業庁の2015年の調査(n=721)を出所として、中小BtoB企業のサイト経由での新規受注獲得頻度が紹介されています。それによると、「ほとんどない」「全くない」とする割合が全体の7割を超えています。

出典
日本政策金融公庫総合研究所「中小BtoB企業によるウェブマーケティング(調査リポート)」(出所:中小企業庁2015、n=721)

つまり「ホームページから問い合わせが来ない」という悩みは、御社だけの特殊な事情ではありません。多くの中小BtoB企業に共通する状態です。裏を返せば、構造を正しく整えるだけで同業他社との差をつけやすい領域だともいえます。周りが手をつけていないうちに動けば、それ自体が競争上の優位になります。

一方で、成果を出している企業があるのも事実です。全国中小企業取引振興協会の2020年度の調査研究報告書では、ホームページ、SNS等を活用している企業が81.7%にのぼると報告されています。また、利活用している企業のうち68.7%で効果が得られています。

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利活用企業の68.7%で効果が得られているホームページ、SNS等を活用している企業 81.7%、利活用している企業のうち効果が得られた企業 68.7%数字で見る利活用企業の68.7%で効果が得られている68.7%利活用している企業のうち効果が得られた企業81.7%ホームページ、SNS等を活用している企業出典:全国中小企業取引振興協会「デジタルトランスフォーメーションを活かした中小企業の販路開拓に関する調査研究報告書(2020年度)」
利活用企業の68.7%で効果が得られているホームページ、SNS等を活用している企業 81.7%、利活用している企業のうち効果が得られた企業 68.7%数字で見る利活用企業の68.7%で効果が得られている68.7%利活用している企業のうち効果が得られた企業81.7%ホームページ、SNS等を活用している企業出典:全国中小企業取引振興協会「デジタルトランスフォーメーションを活かした中小企業の販路開拓に関する調査研究報告書(2020年度)」

どちらの企業もホームページを持ち、運用しているつもりでいます。それでも、効果を得ている企業とそうでない企業に分かれます。この差は、予算の大小やデザインの好みだけでは説明しきれません。問い合わせが来るサイトと来ないサイトの差は、見た目ではなく「誰に何を伝え、どう行動してもらうか」の設計にあります。

ここでよく出てくる疑問が、「そもそも検索で見つけてもらえていないのでは」というものです。もっともな視点で、見つけてもらえなければ問い合わせは生まれません。検索に表示されない原因は、中小企業のサイトが検索に出てこない原因を経営者向けに整理した記事で詳しく扱っています。ただし、検索から人が来ているのに問い合わせにつながらないなら、問題は集客ではありません。サイトに来た人を問い合わせまで連れていく構造の側にあります。どちらに当てはまるかを分けて考えるだけでも、打つべき手はずいぶん変わります。

「古いから来ない」という見立ては、半分は正しく、半分は誤りです。古さそのものが問い合わせを止めているわけではありません。本質は、作った当時から事業内容や顧客像が変わったのに、サイトの構造がそれに追いついていないことです。会社案内の延長として作られたサイトは、名刺代わりにはなります。しかし、見込み客の背中を押す役割までは担えません。

次のセクションからは、問い合わせが来ないサイトに共通する現状、その原因、再設計の具体的な手順を順に見ていきます。読み進める前に、自社のトップページから問い合わせフォームまで、実際にスマートフォンでたどってみてください。途中で迷った箇所や、読むのをやめたくなった箇所をメモしておきましょう。この先の内容が、自社の課題として具体的に見えてきます。

問い合わせが来ないホームページで起きている現状

問い合わせが来ないサイトには、典型的な症状があります。経営者には「問い合わせが来ない」という結果しか見えていないことが多いのですが、実際には症状ごとに打つべき手が異なります。まず自社がどの状態にあるかを見極めることが、遠回りに見えて最短ルートです。

よくあるのが「アクセスはあるのに問い合わせがない」状態です。アクセス解析を見ると一定の訪問はあるのに、フォームの送信はほとんどありません。この場合、訪問者はサイトに来たものの、問い合わせる理由が見つからないまま離れています。典型的なのは、サービス内容の説明が抽象的で、自分の悩みに当てはまるかを訪問者が判断できないケースです。

次に多いのが「届く問い合わせが営業メールばかり」という状態です。フォームは機能しているのに、届くのは売り込みばかりで、肝心の見込み客からの相談がありません。これは、サイトが見込み客に向けて作られておらず、誰が問い合わせるべきかがページ上で示されていないことの表れです。

さらに「既存顧客が電話番号や所在地を確認するためだけに使っている」状態もあります。取引先が住所を調べたり、採用応募者が会社の雰囲気を確かめたりする用途には役立っています。しかし、新規の相談を生む装置にはなっていません。名刺代わりとしては機能していても、営業の役割は果たしていないのです。

① アクセスはあるのに反応がない
訪問者は来ているが、自分の課題を解決してくれる会社かどうか判断できずに離脱している状態です。


② 届くのは営業メールばかり
誰に向けたサイトかが曖昧で、本来呼び込みたい見込み客に「自分が相談してよい相手だ」と伝わっていない状態です。


③ 確認用にしか使われていない
既存の取引先や応募者の確認用途にとどまり、新規の相談を生む役割をサイトが担っていない状態です。

こうした症状の裏では、社内で見過ごされやすい現象も起きています。代表的なのは、情報の更新が止まっていることです。お知らせ欄の最終更新がずっと前のまま、施工実績や導入事例も古いまま、取扱製品が変わっても反映されていない。訪問者はこれを見て「この会社はいまも営業しているのか」「問い合わせても対応してくれるのか」と不安になります。放置のリスクは、会社のサイトを放置するとどうなるかをまとめたコラムも参考になります。

スマートフォンでの見え方も、見落とされがちな点です。経営者が社内のパソコンで確認すると問題なく見えても、見込み客は移動中や休憩時間にスマートフォンで閲覧していることが少なくありません。文字が小さすぎる、ボタンが押しにくい、表が横にはみ出す。こうした状態では、内容を読む前に離脱されてしまいます。具体的な確認項目は、スマホで見づらいHPのチェック項目をまとめたコラムで整理しています。

もう一つの現実的な課題が、誰もサイトの状況を把握していないことです。制作した担当者が退職している、制作会社と連絡が途絶えている、管理画面のログイン情報が分からない。こうなると小さな修正すら外注頼みになり、何も変わらないまま時間が過ぎていきます。問い合わせが来ない状態が長引く会社ほど、サイトの現状を社内で説明できる人がいないという共通点があります。

ここで注意したいのは、これらの症状をすべて「デザインが古いから」でひとくくりにしてしまうことです。見た目の古さは目に付きやすいため、真っ先に原因として挙がります。しかし実際には、症状の一つにすぎません。デザインだけを新しくしても、更新できない体制や見込み客向けの情報設計の欠如が残っていれば、いずれ同じ悩みを抱えることになります。

では、まず何をすべきでしょうか。直近の問い合わせ内容を一覧にし、「見込み客からの相談」「営業メール」「既存客の連絡」に分類してみてください。総数ではなく内訳を見ることで、自社のサイトが上の症状のどれに当てはまるかがはっきりします。この分類結果が、次のセクションで扱う原因分析の出発点になります。

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「サイトを作り直したのに、問い合わせが増えない」それはデザインではなく、構造の問題かもしれません。BOSS DESIGN では設計レベルからサイトを見直します。

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ホームページに問い合わせが来ない構造的な原因

症状が見えたら、次はその裏にある原因を探ります。問い合わせが来ない原因は、個別ページの出来不出来ではなく、サイト全体の「構造」にあることがほとんどです。ここでいう構造とは、誰に向けて、何を、どの順番で伝え、最後にどんな行動をしてもらうかという設計のことです。

最も根本的な原因は、ターゲットと提供価値が曖昧なことです。中小企業のサイトの多くは「会社案内」を下敷きに作られています。社長挨拶、会社概要、沿革、事業内容という並びは、会社を説明するには十分です。しかし、見込み客が「自分の課題を解決してくれる会社か」を判断する材料にはなりません。見込み客が知りたいのは会社の歴史ではなく、自分の悩みに対して何をしてくれるのかです。

次の原因は、問い合わせまでの導線が設計されていないことです。問い合わせフォームへのリンクがフッターの小さな文字だけ。サービス説明ページの末尾に次の行動を促す案内がない。フォームの入力項目が多すぎて、途中でやめたくなる。一つひとつは小さな問題でも、積み重なると、訪問者が「相談したい」と思った瞬間を逃してしまいます。

さらに、判断材料の不足も見逃せません。BtoBの取引では、問い合わせの前に「この会社に頼んで大丈夫か」を慎重に見極めます。実績や事例、依頼から納品までの進め方、費用の考え方、対応エリアといった情報がなければ、比較検討の土俵にすら上がれません。特に費用感がまったく分からないサイトは、「問い合わせたら高額な見積もりを出されそう」という心理的な壁を生みます。

最後に、更新できない仕組みがあります。制作当時の仕組みが古くて社内で更新できない、更新のたびに外注費がかかる、といった状態です。その結果、情報が古くなり、判断材料の不足をさらに深刻にします。更新できない原因と対策は、ホームページが更新できない原因をまとめたコラムで解説しています。

① ターゲットと提供価値が曖昧
会社案内型の構成のままで、見込み客が「自分に関係ある会社か」を判断できません。


② 問い合わせ導線が設計されていない
相談したいと思った瞬間に、次の行動を案内する仕掛けがありません。


③ 判断材料が足りない
実績・進め方・費用の考え方が見えず、比較検討の対象から外れてしまいます。


④ 更新できない仕組み
情報が古いまま固定され、信頼感と判断材料の両方が失われていきます。

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更新できない仕組みが判断材料の不足を深刻にする更新できない仕組み → 情報が古くなる → 判断材料の不足が深刻化因果関係更新できない仕組みが判断材料の不足を深刻にする更新できない仕組み社内で更新できない・更新のたびに外注費がかかる情報が古くなる結果判断材料の不足が深刻化
更新できない仕組みが判断材料の不足を深刻にする更新できない仕組み → 情報が古くなる → 判断材料の不足が深刻化因果関係更新できない仕組みが判断材料の不足を深刻にする更新できない仕組み社内で更新できない・更新のたびに外注費がかかる情報が古くなる結果判断材料の不足が深刻化

こうした構造の欠落は、ホームページを積極的に活用している企業でも起こり得ます。前述の全国中小企業取引振興協会の2020年度報告書では、ホームページ、SNS等を利活用している企業の68.7%で効果が得られたとされています。逆にいえば、活用していても約3割は効果を得られていないことになります。

サイトを持ち、何らかの形で活用していても成果に結びつかない層が一定数存在します。この事実は、「とりあえずサイトがある」状態と「成果を生む構造がある」状態が別物であることを示しています。古さは原因ではなく、構造が事業の変化に追いついていないことの結果として表れているにすぎません。

リニューアルを経験した会社でも、この罠にはまることがあります。見た目を一新したのに成果が出ないのは、構造を見直さずにデザインだけを差し替えたケースがほとんどです。この落とし穴は、リニューアルしたのに成果が出ない会社が見落としている構造の問題で詳しく掘り下げています。過去にリニューアルを経験した会社は、一度目を通しておくと同じ失敗を避けやすくなります。

自社がどの原因に当てはまるかは、簡単に確かめられます。見込み客になったつもりで、サービスページだけを読んで「依頼するかどうか」を判断できるかを試してみてください。判断できない場合は、足りない情報を書き出しましょう。それがそのまま、改善すべき項目のリストになります。

問い合わせが来ないホームページを立て直す実践手順

原因が構造にある以上、解決策も構造の見直し、つまり再設計になります。ただし、いきなり制作会社に「リニューアルしたい」と相談するのは早計です。その前に社内で整理しておくべきことがあり、この準備の質が再設計の成否を大きく左右します。ここでは、経営者が主導して進められる手順を順に紹介します。

欲しい問い合わせを言葉にする

最初に決めるのは、「どんな会社・人から、どんな相談が来てほしいか」です。業種、規模、地域、抱えている課題、相談の段階(情報収集か比較検討か)まで具体的に書き出します。たとえば部品加工業であれば、「試作品の少量加工を相談できる先を探している設計担当者」のように、相手の立場と状況が浮かぶ粒度が目安です。「幅広いお客様」という表現のままでは、誰にも刺さらないサイトになります。目的の整理方法は、サイトリニューアルの目的を明確にする方法も参考になります。

問い合わせから逆算して導線を描く

次に、その相手が問い合わせに至るまでの流れを逆算します。どんな言葉で検索し、どのページに着地し、何を読んで安心し、どこで問い合わせボタンを押すのか。紙に矢印で書くだけで十分です。描き終えたら、各ページの末尾に「次に読むべきページ」か「問い合わせ」への案内が用意されているかを確認します。行き止まりのページがあれば、そこで訪問者は離れています。

ページごとに役割を一つ決める

各ページに、それぞれ一つの役割を割り当てます。トップページは「自分に関係ある会社だ」と気づいてもらう。サービスページは「課題を解決できる」と納得してもらう。実績ページは「任せて大丈夫」と安心してもらう。役割が重複しているページや、どのページにも割り当てられていない役割があれば、そこが構造の穴です。特に「進め方」と「費用の考え方」は、どのページも担っていないことが多い役割です。

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ページごとに役割を一つ決める
  1. 01
    トップページ「自分に関係ある会社だ」と気づいてもらう
  2. 02
    サービスページ「課題を解決できる」と納得してもらう
  3. 03
    実績ページ「任せて大丈夫」と安心してもらう

問い合わせの心理的なハードルを下げる

フォームの入力項目は本当に必要なものに絞ります。あわせて、問い合わせ後の流れ(誰から、どのような形で連絡が来るか)を明記しましょう。「見積もりだけでも可」「まだ検討段階でも相談可」といった一言があるだけで、比較検討段階の見込み客も声をかけやすくなります。電話やフォーム以外の窓口が自社の顧客に合うかどうかも、このタイミングで検討しておくとよいでしょう。

計測して改善する仕組みを作る

公開後は、どのページから問い合わせが生まれたかを把握できるようにしておきます。アクセス解析でフォームへの到達と送信を計測し、定期的に振り返る場を社内に設けます。そうすれば、勘ではなくデータで改善できるようになります。社内で手が回らない場合は、WEB運用を外部に任せるのも現実的な選択肢です。

再設計の出発点はデザイン案ではなく、「欲しい問い合わせ」と「そこに至る道筋」を言語化することです。これが固まっていれば、制作会社への依頼内容が明確になり、複数の提案を同じ基準で比べやすくなります。準備項目の全体像は、ホームページリニューアル前に準備すべきことをまとめたコラムで確認できます。

ここまでの内容を踏まえて、自社の現状を確認してみましょう。

【今すぐ確認】問い合わせが生まれる構造になっているか
  • □ 欲しい問い合わせの相手(業種・立場・課題)を一文で説明できる
  • □ トップページを見て、何の会社で誰の役に立つのかがすぐ分かる
  • □ 各サービスページの末尾に問い合わせへの案内がある
  • □ 実績・進め方・費用の考え方など、依頼の判断材料が掲載されている
  • □ スマートフォンでフォームまで迷わずたどり着き、送信まで完了できる
  • □ お知らせや実績を社内で更新できる体制と仕組みがある
  • □ どのページから問い合わせが来たかを計測できている

当てはまらない項目が複数ある場合は、部分的な修正ではなく、構造から見直す再設計を検討する段階です。

チェックが付かなかった項目は、「社内ですぐ直せるもの」と「専門的な作業が必要なもの」に分けておきましょう。案内文の追加やフォーム項目の削減のように、社内で対応できるものもあります。一方、ページ構成の組み直しや更新の仕組みの入れ替えには専門的な作業が必要です。社内で直せる項目から先に手をつけ、残った項目を外部への相談事項として整理しておくと、次の打ち合わせが具体的になります。

ホームページを再設計して問い合わせが来ない状態を抜け出す

ここまでの手順を、社内だけで進めるのは簡単ではありません。日々の業務を抱える経営者や担当者にとって、サイトを客観的に見直す時間を確保すること自体が難しいからです。また、自社のことは、自社にいるほど見えにくいものです。そこで検討したいのが、構造の段階から一緒に考えられる外部パートナーの活用です。

BOSS DESIGNは、ホームページ・システムリニューアルを専門としています。見た目を新しくすること自体を目的にはしません。事業の現状と欲しい問い合わせを起点に、サイトの構造そのものを組み立て直すことを重視しています。考え方の詳細は、ホームページ・システムリニューアルのサービスページで紹介しています。

現状を診断して、直すべき箇所を見極める

再設計の第一歩は、今のサイトのどこが問い合わせを止めているかを特定することです。ターゲットの伝わり方、導線の途切れ、判断材料の不足、更新体制の問題。前のセクションで挙げた原因のうち、どれが自社に当てはまるかを第三者の目で整理します。現状の把握には、サイト診断のページも活用できます。診断を経ることで、「全部作り直すべきか、一部の改修で足りるか」を感覚ではなく根拠をもって判断できるようになります。作り直しの判断基準は、ホームページを作り直すべきかを解説したコラムも参考にしてください。

構造設計から制作、運用までを一続きで考える

問い合わせを生むサイトは、公開した時点で完成ではありません。欲しい問い合わせの定義、ページごとの役割、導線、更新の仕組みまでを最初に設計し、公開後の計測と改善まで見据えておく必要があります。設計と制作と運用を別々の業者に分けると、意図が途中で抜け落ちやすくなります。だからこそ、一続きで考えることが大切です。進め方はリニューアルの流れ、費用の考え方は料金のページ、これまで手がけたサイトは実績一覧で確認できます。

外部パートナーを選ぶときは、デザインの好みより「問い合わせの構造から一緒に考えてくれるか」を基準にすることが大切です。提案の場で、欲しい問い合わせや顧客像について質問してくる相手かどうかが、一つの見極めポイントになります。最初からデザイン案の話ばかりする相手の場合、構造の議論が後回しになるおそれがあります。

今の制作会社との関係に悩んでいる場合

今の制作会社に相談しても話が進まない、更新を頼むたびに時間がかかる、といった悩みを抱える会社もあります。乗り換えを検討すべきかどうかの目安は、制作会社に不満があるときの乗り換えタイミングを解説したコラムで整理しています。管理画面やサーバーの情報が手元にあるかどうかも、乗り換えの難易度を左右するため、早めに確認しておきましょう。

相談の前に用意しておくと話が早いもの

  • 現在のサイトのURL:構造と導線を確認するための前提になります。
  • 直近の問い合わせの内訳:見込み客・営業メール・既存客の分類結果があると、症状を特定しやすくなります。
  • 欲しい問い合わせの相手像:業種・立場・課題を書き出したメモで十分です。
  • 管理画面・サーバーの情報:分かる範囲で構いません。不明な点があること自体も重要な情報です。

すべてを完璧に揃える必要はありません。前のセクションのチェックリスト結果と問い合わせの内訳メモを手元に用意したうえで、まずは現状を話してみることが、再設計への現実的な一歩です。相談はお問い合わせフォームから受け付けています。

まとめ:ホームページに問い合わせが来ない理由は構造で解く

中小企業のホームページに問い合わせが来ないのは、デザインが古いからではありません。根本にあるのは、作った当時から事業や顧客が変わったのに、サイトの構造が追いついていないことです。見た目の古さは、その結果として表に出ているサインにすぎません。

この記事で見てきたように、サイト経由の新規受注が「ほとんどない」「全くない」という中小BtoB企業は多数派です。一方で、ホームページやSNS等を活用して効果を得ている企業も確かに存在します。両者を分けるのは、予算でもデザインの好みでもなく、「誰に何を伝え、どう行動してもらうか」が設計されているかどうかです。

問い合わせが来ないサイトの原因は、ターゲットと提供価値の曖昧さ、導線の欠如、判断材料の不足、更新できない仕組みに整理できます。これらは互いにつながっています。そのため、一つだけを直しても効果は限定的です。デザインだけを差し替えるリニューアルで成果が出にくいのは、このためです。

再設計の出発点は、「欲しい問い合わせ」を言葉にし、そこに至る道筋をページの役割として組み立てることです。この順番を守れば、制作会社への依頼内容が明確になり、完成後も改善を続けられるサイトになります。

再設計は大がかりに聞こえるかもしれません。しかし、最初の一歩は社内で今日からでも始められます。問い合わせの内訳を分類し、スマートフォンで自社サイトをたどり、チェックリストで現状を確かめる。この作業だけでも、自社の課題が「なんとなく古い」から「どこを直すべきか」へと具体的に変わります。

関連するテーマをさらに知りたい方は、コラム一覧から、検索対策や運用に関する記事もあわせてご覧ください。

まずは今週中に、直近の問い合わせを分類し、欲しい問い合わせの相手像を一文で書き出してみてください。その一文が、問い合わせが来ない状態から抜け出すための設計図の起点になります。

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この記事のまとめ
SUMMARY課題・悩み解決問い合わせが来ない理由は構造で解く
7割超サイト経由の新規受注が「ほとんどない」「全くない」中小BtoB企業
結論

問い合わせが来ないのはデザインが古いからではなく、構造が追いついていないから

ポイント
  1. 01
    ターゲットと提供価値が曖昧
  2. 02
    問い合わせ導線が未設計
  3. 03
    判断材料が足りない
  4. 04
    更新できない仕組み

出典:日本政策金融公庫総合研究所「中小BtoB企業によるウェブマーケティング(調査リポート)」(出所:中小企業庁2015、n=721)

よくあるご質問

デザインを新しくするだけでは問い合わせは増えませんか?
見た目の印象は改善しますが、それだけで問い合わせが増えるとは限りません。誰に向けたサイトか、問い合わせまでの導線があるか、依頼の判断材料が揃っているかといった構造が変わらなければ、訪問者の行動は大きく変わらないためです。デザインは構造を整えたうえで、伝わりやすさを高める手段として考えるのが効果的です。
アクセス数が少ない場合も、構造の見直しから始めるべきですか?
アクセスが極端に少ない場合は、まず検索で見つけてもらえているかを確認する必要があります。ただし、集客を強化しても受け皿となる構造が弱ければ、訪問者は問い合わせずに離れてしまいます。検索対策と構造の見直しは別々ではなく、欲しい問い合わせの相手像を共通の軸にして並行して考えると、無駄な投資を避けやすくなります。
全面リニューアルと部分改修は、どう判断すればよいですか?
ターゲットや事業内容がサイト制作時から大きく変わっている場合や、社内で更新できない仕組みになっている場合は、全面的な再設計を検討する段階です。一方、構造は大きく崩れておらず、案内文の追加やフォームの見直しで導線を補えるなら、部分改修で改善できることもあります。現状を診断してから判断するのが確実です。
社内にWeb担当者がいなくても再設計は進められますか?
進められます。再設計で経営者に求められるのは、専門的な制作作業ではなく、欲しい問い合わせの相手像や自社の強みを言葉にすることです。制作や技術面は外部パートナーに任せ、公開後の更新や計測をどこまで社内で担うかを最初に決めておくと、担当者がいなくても運用が止まりにくくなります。